仕事ってやる気なくなる時があるんですよね。
歯科医師の場合、やる気がなくなる3大タイミングは、卒後数年経って一通りの処置ができるようになった時と、開業が軌道に乗って開業時の不安が薄まった時、開業時の借金の返済が終わった時です。
その間にもやる気が出なくなるタイミングがあります。
これらのタイミングは「何らかのアクションを起こせ」というサインなのです。
何もせずズルズル過ごしていると、先生はオワコン化します。
とは言えど、アクションを起こすと言っても、そのやる気が出ないのだから困ったものです(笑)
そこで、まずは、やる気が出ないメカニズムを解説して、次にやる気の出し方を解説します。
やる気があるから行動すると思うでしょうが、実は順番が逆で、行動するからやる気が出るのです。
部屋の掃除に対してやる気が出なくても、いざ始めてみると、日が暗くなるまで続けた経験や、放ったらかしにしていたレポートでも、いざ取り組むと、時間を忘れて作製した経験、仕事に行くのが嫌な朝でも、顔を洗って出勤すると、気がつけば普通に過ごしていた経験はないですか?
これらの現象は、行動することでやる気が出ているのです。
身近すぎて気づきにくいですが、行動してからやる気が出ることは脳科学の分野では知られていることです。
東大大学院薬学系研究科 池谷祐二氏によると、やる気やモチベーションを司るのは、脳の奥深くにある淡蒼球という場所です。
やる気やモチベーションが高まっている時は、淡蒼球が活性化されてます。
だから、やる気を出すには淡蒼球を刺激すればいいのですが、残念ながら、淡蒼球は自分の意志では活性化できません。
淡蒼球は脳の無意識領域に存在するので、いくら先生がやる気を出そうとしても、頭で考えているうちは無理です。
淡蒼球は外部からの刺激によって活性化します。
外部からの刺激というのは、体を動かすことによって、受け取る刺激のことです。
刺激の量と強弱によって淡蒼球の活性化度合いが変わります。
そこで、歯科医師向けの刺激の仕方を知っておきましょう。
全部で4つあります。
① 動く
先ほど解説した通りです。
脳を運動野経由で刺激しているということです。
別項で解説したように『1日一人でも多くの患者さんを診療する』でもいいのです。
続けていると気がつけば、とんでもなく手が早くなっているはずです。
② ほうびを与える
「1ヶ月続けたら〇〇を買う」という具合に、自分にご褒美を与えることです。
デグメンタ経由の刺激です。
お金でなくとも、毎日の保険点数、自費、診療数を記録することも、自分の成長を可視化できるので、ご褒美になります。
③ いつもと違うことをする
セミナーに出たり、新しい機械に触れることで、海馬経由で淡蒼球が活性化されます。
初めて患者さんの歯を形成した時、ドキドキしましたよね。
初めての経験ですから、淡蒼球がビンビンに刺激されていたはずです。
あの時は患者さんが配当されて、半ば強制的でしたが、歯科医師になって一定の時間が経ったら、強制されることはなくなります。
そして、いつしかマンネリ化し、先生自身がオワコン化します。
だからこそ、自分から新しいことをする姿勢が必要なのです。
でも、セミナーに出ても気分がアガるのは当日のみで、日常に戻るといつも通りな先生も多いでしょう。
そうならないためには①の『動く』を発動して、刺激を与え続けるのです。
例えば、iOSの勉強をしたらできる限りiOSを使う、医院にCTマイクロがあったら使う、という具合に。
④ なりきる
根拠のない自信を持っている先生いますよね。
あれって、とても大事です。
なりきることで、前頭葉経由で淡蒼球が刺激されます。
もちろん、なりきるだけで上手にできるわけないのですが、初めの第一歩が大事ですから、それでいいのです。
以上になります。
やる気やモチベーションは自然発生しません。
そうとわかれば、動くしかないです。
動かずに『こんなはずじゃなかった人生』を歩むか、『充実した人生』を歩むか、それは先生が決めることです。