やるべきことに迷ったら

自費に向いている先生、保険に向いている先生

どちらに向いているかは、治療計画の立て方で判定できます。
まずは自費診療で考えて、患者さんの希望で保険を入れる先生は、自費向きです。
一方、保険で考えてから、患者さんの希望で自費を入れる先生は、保険向きです。

この違いは、先生の気質が反映されてます。

自費向きの先生は、好奇心旺盛な先生、アーティストな先生、単価が高いことが評価である先生、などです。
こういう先生は、自分の世界を持っているので、保険のルール内で生きることに対して苦痛を覚えます。
自費診療に目を向けた方が幸せな歯科医師人生になるでしょう。

一方、保険向きの先生は、保険のルールに従うことに抵抗はありません。
保守的な先生なら、馴染みの患者さんだけを保険でゆっくり診療します。
戦略的な先生なら、保険を活用して一定数の患者さんを確保しつつ、要所で自費を組み込んで、最新の機器を導入したり単価アップを狙って医院を大きくします。

どちらが優れているという話ではありません。
自費は最新とアート、保険は国の方針、役割が違います。
自分の特性や願望に向いている方を頑張りましょう。

広告を出すべき先生、出さなくていい先生

院長一人、スタッフ数人、チェアー3台の規模で保険メインなら広告は不要です。
では、広告を出すべき先生とはどういう先生かというと、立地を超えた集患・売上を望む先生です。

歯科医院は立地8割と言われます。
この言葉が意味することは、歯科医院の集患や売上は立地で8割決まって、接遇などその他の要素が歯科医院経営に及ぼす影響は2割であるということです。
ということは、開業した瞬間に先生の歯科医師人生は8割決まっていることになります。
大きく開業するのが怖くて小さく開業した先生でも、医院運営に慣れたら、次のステップに移りたくなります。
しかし、立地で集患している限り、患者数や患者層は決まっているので、大きな変化は望めません。
ここで広告を使えば、診療圏を広げることができるので、患者数は大幅に増えます。
また、マウスピース矯正など特化した広告を出せば、マウスピース矯正が増えるので、先生が向かいたい方向へ医院を舵取りすることができます。
医院を変えたい先生は、広告も打ち手の一つだと頭に入れておいてください。

最初からオペ室がいる先生、いらない先生

いる先生は、インプラントで売上を立てたい先生、医者になりたかった先生、カッコいい医院がほしい先生です。
いらない先生は、派手な外科が苦手な先生です。
並べてみたら当たり前のことですね。

ここでインプラントで売上を立てたい先生は注意が必要です。
勤務医時代に自分で契約を取れた先生は、開業後も契約を取れるでしょう。
しかし、トリートメントコーディネーターや院長がとった契約を打たせてもらっていた先生は、インプラント契約のノウハウを持ってません。
インプラントは埋入行為よりも、埋入させてくれる人を探す方が難しいのです。
つまり営業能力ですね。
勤務医時代に営業能力を身につけてない先生は、いきなりオペ室を作るのは過剰投資になるかもしれません。

SNSやったほうがいい先生、やらなくていい先生

ここでは、対患者さんSNSを前提とします。
やった方がいい先生は、歯科以外の得意分野がある先生です。
例えば、歌を歌うとか。
最近の商業誌でもtwitterでバズった先生が紹介されてますが、皆、歌うとか絵を描くとか、歯科以外の領域に得意を持ってます。
一般人に歯科情報をそのまま伝えてもつまらないだけ。
面白おかしく伝えれる先生がSNSでは優位です。

やらなくていい先生は、歯科以外何もない先生です。
ディスっているのではありません。
それで普通です。
歯科以外に得意を持っている先生の方がレアなんです。
また、投稿するのが面倒くさい先生もやめときましょう。
余計なことに時間を使う必要はありません。

ちなみに歯科医師相手にセミナーをしたい先生はSNSは必須です。
面倒臭くても頑張りましょう。

セミナーに行った方がいい先生、行かなくていい先生

医院や自分を成長させたい先生は、行くべきでしょう。
また、ノウハウが好きな先生もセミナーに行くべきです。

でも、現状に満足している先生は行かなくていいです。
行くだけ時間とお金の無駄です。

じゃあ現状に悩んでいる先生はどうかというと、行かない方がいいです。
悩んでいるなら、直接アドバイスを求めた方がいいです。
経営でも臨床でも。
それなりにお金はかかるでしょうが、セミナーでその他大勢の受講生になるより、自分の聞きたいことがダイレクトに聞けるので、個別相談の方がいいです。

勤務医を雇った方がいい先生、一人でやるのがいい先生

自分一人では診れないほどの患者さんが来ている先生、他人のやらかしを許容できる先生(程度の差はあるが)、俺の城ではなく、店を作れる先生、こういう先生は勤務医を雇用できます。
一方、一人がいい先生は、自身の技術がウリの先生です。

歯科は属人性が強い仕事ですから、本来は規模化に向きません。
障壁を乗り越えて規模化するには、歯科医師+αの能力を持っているか、ある程度の割り切りが必要です。

私見ですが、歯科医師としての技術の追求と規模化は反比例します。
自分が求めるものを追求した方が幸せです。

医院理念に向いている先生、向いていない先生

これは勤務医スタッフが抽象的な概念を具体的な行動に落とし込めるかどうかで決まります。
具体的に示さないと行動できない場合は、理念では動けません。
そうした人で構成されていたら、理念よりもマニュアルを作るべきです。

一方、具体的な指示が苦手な人もいます。
大枠だけ示してくれたら、あとは自分で考えたい人です。
こういう人には理念を示すだけでいいです。

結局、聞き手次第ですね。

分院展開に向いている先生、向いていない先生

向いている先生は、他人からスゲ〜と言われたい先生です。
一昔前と比べて分院展開の外部環境は劣化してます。
かつては、分院を作ったら勝手に患者さんが来てくれて、勤務医もたくさんいた時代です。
歯科医院が少なかった時代は分院に旨味があったのです。
特にチェアー3~6台の小型分院展開がマネジメントしやすかったです。

しかし現在は、人口減少、歯科医院飽和、開業コストの増加、厚労省が中規模以上を優遇する時代です。
そんな時代に小型分院展開することはかつてほどの旨味はなく、むしろ金食い虫になるかもしれません。
それでも分院展開するのは、「お金を捨てても手間がかかってもいいから、スゴイと言われたい!」という強い承認欲求がないと無理です。

向かない先生は、目が届かないと不安な先生です。
私が勤務していた医院の院長の話です。
体が大きく、カリスマ性がある先生で、何でもできそうな先生でした。
歯科医師でなかったら8○3でもできそうでしたし、本人もそう言ってました 笑
私が勤務する前は分院を持っていたのですが、すでに閉めてました。
なぜ閉めたのか聞くと、「目が届かないから不安だった」と言うのです。
私はその院長の口から不安という言葉が出ることに驚きました。
見た目の大きさと分院展開は全く関係ないことを学びました。

分院展開は1医院を規模化するのとは世界が違います。
現在の開業地での規模拡大に限界がある先生もいるでしょうが、分院展開でなくても移転も手です。
0から1を作るより、1から100を作るほうが簡単です。

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